なぜ先送りしてしまうのか?

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私たちは、重要なことと分っていながら
ついつい先送りしてしまうことがあります。

いわゆる成功本では「行動することが大事」と書かれていますが、
成功者は何も考えず行動できたから成功したのであって

「なぜ先送りしてしまうのか?」
「どうすれば行動できるようになるのか?」

を具体的に教えてくれる本はあまりありません。

この本では、心理療法を使ってそれを教えてくれます。

笹氣建治 著 堀之内高久 監修
なぜあなたはその仕事を先送りしてしまうのか?」(だいわ文庫)

行動を妨げている心理的課題を克服していくことで、
実際に行動することができるようになるでしょう。

では、どうしたら心理的な課題は克服されるのでしょうか?

まず行動に移せない先送りの心理パターンを
5つにまとめて分析しています。

先送りの5つの心理パターン

 (1)完璧を目指しすぎてしまう
 (2)効率を求めすぎてしまう
 (3)結果を怖がりすぎてしまう
 (4)もともとニーズがないことをやろうとしている
 (5)自分の可能性を狭くすることを恐れている

自分が良く陥ってしまうパターンを見つけましょう!

望ましくないパターンが発見できれば、
それを壊し、新たに望むパターンに変えていくことができます。

ちなみに私は(3)と(5)のパターンが多いです。

そして、行動に移すために

「思考レベル」「感情レベル」「行動レベル」

3つのレベルに分けて克服法が解説されています。

「思考レベル」では、自分に不都合な信条体系に気づき
それを見直していきます。

「感情レベル」では、行動の妨げになる感情をコントロールし
克服していきます。

「行動レベル」では、いま自分に何ができるかを
できるだけ明確にしていきます。

私が特に感銘を受けたのは、「感情レベル」でのリフレーミング方法
についてです。

リフレーミングとは、以前にこのメルマガ記事でも少し触れましたが、
出来事の捉え方をひとつの悪い面からだけでなく、
良い面からも捉えなおそうという働きかけのことです。

この本では、リフレーミングには2種類の方法があると言ってます。

内容(結果)のリフレーミング」と
プロセス(過程)のリフレーミング」です。

「内容のリフレーミング」とは、
失敗したことも結果的に良かったと捉えることです。

エジソンが電球作りに何百回と失敗しても、それでもあきらめないのは、
失敗とは捉えず「電球が作れない方法を発見した」という学びとして
捉えていたからという逸話がありますが、
それがまさにこの「内容のリフレーミング」にあたります。

私も、この「内容のリフレーミング」を自分自身やまわりに人に
よく試みているのですが、

自分を責め過ぎてしまう人には「内容のリフレーミング」よりも
「プロセスのリフレーミング」を試みる方が有効だと書かれています。

「内容のリフレーミング」で、
その人の結果に対する捉え方を無理に肯定的にしようしても
受け入れてもらえないこともあるでしょう。

それに対し「プロセスのリフレーミング」とは、
結果に対してではなく、過程に対して捉え方を変えることです。

失敗したとしても「挑戦したことで悔いが残らないね」とか
「反省して改善しようとしているんだね」とリフレーミングします。

自分を責めて行動できない人は、すべて否定的に考えてしまいがちなので
失敗した結果はそのまま受け止いれるとしても、
その過程については肯定的に捉えられるようにすることで、
また行動してみようという気持ちになります。

このようにこの本は、行動できなくて自分を責めてしまう読者に対し、
いたわりと優しさに満ちています。

なぜなら著者自身も、行動できなくて悩んできたからだそうです。

笹氣建治 著 堀之内高久 監修
なぜあなたはその仕事を先送りしてしまうのか?」(だいわ文庫)

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