エレベーターに最初に乗ったのに、「開」ボタンを押さずに
奥の壁によりかかっている人。
満員電車なのに足を前に投げ出して座っている人。
高速道路の出口が混んでいて並んでいるのに、
横から割り込んでくる車。
公共の場所で周りのことを考えずに、自分さえ良ければいいという人
結構見かけますね。
彼らは「自分は損をしたくない」と考えているから
周りに迷惑をかけてもそのような行動をとるのでしょう。
つまり、他人に譲ることは、自分が損をして(lose)、
他人が得をする(win)というwin-lose思考です。
でも、それってそんなに「損」なことなのでしょうか?
彼らは、周りに悪いと思いつつも、
自分は損したくないために、譲ろうしないのですから、
思いと行動が矛盾します。
思いと行動が矛盾すると、自分を納得させるために
「自分が先に乗ったのだから、当然の権利だ」などと
自己正当化し始めます。
自己正当化すると、周りのことを考えられなくなるということは、
以前の記事「人間関係を良くする秘訣」でも紹介しましたね。
自己正当化というヤツは、自分が悪いと思いつつも、
自分は正しいと納得するために自分を騙していることになります。
これを自己欺瞞といいます。
いつでも損をしたくないために、自己正当化をし続けると
どうなるでしょうか?
それは自分を騙し続けることであり、
自己を否定し続けることになります。
自己否定ばかりをしていると、自信が持てなくなり、
人の為に力を出すことができなくなります。
自分さえよければいいという、win-lose思考の人は、
結果的に「大きな損」をしているのです。
逆に、自分はちょっと損してでも譲ってあげた方が、
その場すべてがハッピーに収まります。
自分の思いの通りに行動すれば、自己肯定となり
それが他の人の為になれば、自信がつき、力がみなぎります。
なので「ちょっと損しましょう!」
その方が大きな「得」になるのですから。
自分がしてあげたいと思うことをすることは、
ちっとも「損」だとは思わなくなりますよ。
相手も自分も共に徳をする考えを、win-win思考といいます。
相手の考えは変えられませんが、自分の言動は変えることができます。
自分がやってあげたいことを素直にやってあげるだけで
人間関係はよくなるのです。
ぜひ、自分の周りの人にやってあげたいことをやってあげてください。
Just do it!
アービンジャー・インスティチュート(著), 金森 重樹(監訳)
『自分の小さな「箱」から脱出する方法』(大和書房)
P.S.
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